「任意整理」に関するお役立ち情報
任意整理した際の和解契約の内容
1 任意整理をすると新たに和解契約を取り交わす
債務整理のひとつである任意整理は、債権者と個別に交渉を行い、従来の返済条件を見直して、債権者との間で新たな返済条件の合意をする手続きになります。
この手続きでは、債権者との間で新たな契約(和解契約)を取り交わすことになります。
多くの場合、和解契約は従来の契約と異なり、将来利息を付されず、また、長期分割払いを認める内容となっているかと思います。
月々の返済が難しくなってしまった場合に、任意整理によってこうした条件で新たに契約を結ぶことができれば、今後の生活を立て直すためにも有益かと思います。
では、その他にはどのような条件がとなることが多いのか、ここで説明をしていきたいと思います。
2 期限の利益喪失条項
任意整理後の和解契約には通常、期限の利益喪失条項が設けられます。
これは、一定の場合に、分割支払いを行うことの利益(期限の利益)を失うことを定めた条項です。
具体的には、返済が遅れた場合、期限の利益を喪失して、一括弁済を求められることがほとんどです。
返済が遅れた場合というのは、返済の遅れた分が2か月分になった場合や、2か月連続で返済が遅れた場合とされることが多いです。
返済が遅れてしまうと、一括弁済を求められるだけでなく、返済が遅れている期間分の遅延損害金が返済額に上乗せされることになり、返済額が増加します。
そのため、和解契約を結ぶ際には、完済までの数年間、本当にその金額を払っていけるかどうかをしっかりとシミュレーションすることが大切です。
3 返済の開始時期
和解契約が成立した後、実際に返済を開始する時期については、比較的柔軟な対応をしてもらえることがあります。
債権者の運用次第という面が大きいのですが、和解契約自体は早くまとめたがるものの、返済開始時期は数か月先からでも構わないという会社もあれば、和解の翌月からの返済開始でなければ和解には応じないという会社もあります。
手元の財産や今後の収支の見込みを踏まえて、返済開始時期を調整することになります。
4 和解契約を履行できなくなってしまう場合
上記2でも述べたように、返済が遅れると期限の利益を喪失し、一括請求を受けることになります。
その場合、再度の任意整理を行うことも考えられますが、現実的には自己破産等の法的手続きを検討することが多いかと思います。
任意整理を行う際には、弁護士にご相談いただき、任意整理後にきちんと返済を続けていけるか等の見通しをしっかりと立てることが大切です。
当法人には任意整理をはじめ、借金の問題を得意とする弁護士がおりますので、まず一度ご相談ください。