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「債務整理」に関するお役立ち情報

債務整理と年金の関係

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年9月11日

1 債務整理をした場合の公的年金の取り扱い

債務整理をすると、受給している年金に影響があるのか心配されている方もいらっしゃるかと思います。

まず、国民年金や厚生年金、共済年金といった公的年金についてですが、公的年金は法律で制度が決まっているため、権利義務関係を個人が自由に決めることはできません。

そして、債務整理によって年金額が減ってしまうというような制度はないので、公的年金は債務整理による影響はないと考えてよいです。

また、公的年金は差し押さえが禁止されているため、借金の返済ができなくても、年金の差し押さえを受けることはありません。

2 債務整理をした場合の個人年金の取り扱い

個人年金は、「年金」という名前ではあるものの、その性質は個人の金融資産です。

つまり、個人年金は取り扱いとしては貯金と同じになりますので、例えば自己破産手続きをするというような場合には、基本的に個人年金の解約をすることになります。

自己破産以外の債務整理手続きでは、解約の必要はありません。

3 年金受給者が債務整理を行う際の注意点

年金は差し押さえが禁止されていますが、金融機関に振り込まれてしまえば、他の貯金と混ざってしまいますので、年金と貯金の区別がつかなくなります。

そうなると、通常の貯金と同様に差し押さえが可能ということになってしまいますので、注意が必要です。

そのため、債務整理手続きを行う場合は、年金の振込先の口座を変更するのがよいです。

例えば、銀行のカードローンを利用していて、その銀行を対象に債務整理を行なう場合、債務整理手続きをとることを銀行に通知すると、その銀行の口座が凍結され、口座に預けてある預金は、残債務と相殺されてしまうからです。

逆にいえば、債務整理の対象としていない銀行であれば、このような口座凍結という問題は生じません。

そのため、債務整理と無関係な銀行を年金の振込先口座にしておけば、振り込まれた年金は問題なく金融機関から引き出せることになり、口座の凍結により振り込まれた年金が使えなくなってしまうといった心配がなくなるのです。

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