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「個人再生」に関するお役立ち情報

個人再生で再生委員がつかないケース

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年5月23日

1 東京地裁で申立てをすると個人再生委員が選任される

東京地裁において個人再生の申立てをすると、必ず個人再生委員が選任されます。

これは他の裁判所には見られない東京地裁独特の運用になります。

個人再生委員が選任されないという例外はないため、東京地裁の管轄になる方が個人再生を申し立てる場合は、個人再生委員がつかないケースはないと考えてください。

そのため、東京で個人再生をお考えの場合、個人再生委員が選任される前提で手続きを進めることを検討することになります。

2 他の地域での運用

東京地裁以外で個人再生を申し立てた場合に、個人再生委員が選任されることは稀です。

破産の申立てをしたときに破産管財人が選任されることと比較されることがありますが、破産管財人が選任される割合と比べると個人再生委員が選任される割合は低いです。

個人再生委員が選任される明確な基準があるわけではありませんが、例えば履行可能性があるのかどうかが微妙であり慎重な判断が求められる場合や、申立書に記載されている内容以外にも財産が存在することが疑われる場合など、何かしら慎重な判断が必要になってくるケースにおいて選任されやすいという傾向はあると思います。

3 個人再生委員が選任されることによるメリット・デメリット

上述のとおり、東京地裁で申立てをすると必ず再生委員が選任されますので、再生委員がつく場合とつかない場合を東京地裁の案件同士で比較することはできません。

そのため、あくまで他の裁判所で申し立てた場合との比較ということになります。

個人再生委員が選任されることのメリットは、裁判所が考えていること・あるいは懸念していることがある場合などに、再生委員を通じてその情報を具体的に知ることができるという点が挙げられます。

再生委員が選任されず、裁判所と直接やりとりするケースの場合、裁判所の考えをはっきりと伝えてもらえないこともありますので、裁判所の考えを具体的に知ることができる点はメリットといえます。

再生委員は申立人にとって味方ではないかもしれませんが敵対的な存在でもないため、どのようにすれば手続きが円滑に進められるかについて的確に指摘してもらえることがあるのです。

他方でデメリットとしては予納金がかかることが挙げられます。

再生委員がつかない場合と比較して、15万円から20万円程度の費用がかかることになります。

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