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「自己破産」に関するQ&A

取締役が自己破産をした場合はどうなるのでしょうか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年12月14日

1 自己破産により委任契約が終了するため、一度退任することになる

取締役は、会社と委任契約を締結している立場です。

そして、民法上、自己破産は委任契約の終了事由に該当します。

したがって、自己破産することにより委任契約は終了し、自動的に取締役の地位から退任することになります。

しかし、自己破産することは取締役であることの欠格事由ではないため、株主総会の決議によりすぐに再度取締役に就任することは可能です。

この点は、警備員や生命保険募集人のように、自己破産が欠格事由とされているケースとは大きく異なります。

ちなみに、旧商法では、自己破産開始決定から免責されるまでの状態が欠格事由とされていたため、旧商法の時代はしばらくの期間取締役に就任することができませんでした。

現在の会社法では、取締役の欠格事項に自己破産したことが含まれていないため、自己破産した場合でも取締役や代表取締役になることが可能です。

2 会社に対する責任はあるのか

取締役が自己破産しても、会社や会社の債権者に財産を奪われることはないです。

取締役だからといって、自己破産することで会社に対して特別な責任を負うわけではないということになります。

3 再度取締役となるにあたっての現実的な問題

自己破産した場合でも再度取締役となることは可能ですが、事実上の障害がないわけではありません。

まず、取締役に再任したとしても、社会的信用力は落ちてしまいます。

取締役の場合に限りませんが、自己破産をすると信用情報機関(ブラックリスト)に登録されてしまいますので、事故情報が登録されている期間は与信審査で不利となり、クレジットカードを新たに作ることや銀行から融資を受けることも困難になります。

なお、信用情報機関に登録されるのは個人の情報ですので、直接会社の信用が落ちるわけではないです。

特に、一般の取締役が自己破産しても、ただちに会社自体の信用が失われるとは言えないかもしれません。

他方で、代表取締役が自己破産した場合は、会社についても信用が失われることもあり得ます。

一人会社あるいはごく小規模の会社に対して金融機関が融資する場合、銀行は会社というよりも代表取締役個人の信用情報を調査することになりますので、代表取締役がブラックリストに載っていると判明すれば、融資を受けられない可能性があります。

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