任意整理をすると他人にばれてしまうのか

借金を支払うのが苦しいけれども、周りの人に債務整理したことがばれてしまうのも困るという方は非常に多いと思います。

インターネットなどで調べてみると、任意整理なら周りにばれずに行うことができるといった情報が見つかりますが、今一度ここで整理してみたいと思います。

結論からいうと、債務整理手続の中で、任意整理という手続であれば、他人に知られることなく債務整理ができる可能性があります。

任意整理は、自己破産や個人再生と違い、裁判所を用いる手続ではなく、あくまで各債権者と直接話合いを行って、今後の返済の負担を軽くするという手続です。

裁判所を利用する手続の場合、同居のご家族についても一定程度の情報を出す必要がありますので、ご家族を手続へ巻き込まなければならなくなります。

他方で、任意整理は、弁護士が債務者の状況を債権者に説明することで行うことができ、基本的に収入に関する資料や保有している財産に関する資料等の客観的な資料を提出する必要もありません。

そのため、ご家族を巻き込むことなく話を進めていくことができるのです。

また、裁判所を使う破産・再生の手続だと官報に氏名が掲載されてしまいますが、任意整理にはそうした心配がありません。

債務整理を行った場合の信用情報の問題についても、多くの方が気にするところかと思います。

信用情報とは、俗にブラックリストとも呼ばれるものであり、その人にお金を貸したり、ローンを組ませたりしても大丈夫なのかどうかを判断するための参考に用いられるもので、クレジットカードを利用した際に遅れずに支払っているか等の情報が記載されています。

信用情報は、任意整理をした場合でも登録されてしまいますが、無関係な他人がその人の信用情報を見ることができるわけではないため、信用情報から任意整理の事実がばれることはありません。

家族であっても同様で、例えば夫の信用情報に任意整理の登録がされていても、妻や子まで登録されているわけではないため、従前どおり妻や子はカードの利用を行うことができます。

ただし、任意整理をした人は、以後住宅ローンを組んだり車のローンを組んだりすることが難しくなるため、そういった事態に直面した際にご家族から不審に思われるということはあり得るでしょう。