「任意整理」に関するQ&A
任意整理をしても借金は減らないのでしょうか?
1 任意整理は月額が減るだけで総額は減らない?
任意整理のメリットとしては、まず月々の返済額が減る(ことが多い)という点が挙げられますが、借金が減るのかどうかという点については誤解をされている方も少なくないようです。
大まかに説明すると、債務整理手続の中で、自己破産は借金の返済義務を免除してもらう手続、個人再生は借金を減らしたうえで返済していく手続ということになりますが、任意整理も支払総額は減額されることになります。
2 利息カットとはどういうことか
任意整理を行うと、多くのケースで「将来利息のカット」を和解条件に入れることができます。
これはどういう意味なのかご説明すると、例えば200万円の借金を抱えている場合、毎月4万円、5万円と返済していてもそのうちの半分以上が利息の支払いで、元金については実は全然減っていないというようなことがよくあります。
すると、毎月4万円支払っていても、50か月支払えば計200万円で返済がおしまいということにはもちろんならず、合計300万円ないしはそれ以上の金額を返済しなければ元金がゼロの状態(完済)にならないのです。
ところが、任意整理をすることで将来利息をカットしてもらうことができれば、元金である200万円をとにかく払えばいいということになりますから、上述の“4万円を50か月支払って元金200万円完済”ということができます。
したがって、借金の額や元々の返済条件にはよりますが、任意整理をするのとしないのとでは、完済までに支払うことになる金額が、場合によっては数百万円変わるということになるのです。
3 いつからの利息をカットできるのか
将来的な利息をカットできることが多い任意整理ですが、どこを起点として将来利息をカットできるのかという問題があります。
これについては、債権者次第な面もありますが、弁護士が介入した時点、あるいは和解が成立した時点を基準とすることが多いです。
なるべく早い時期を基準としてもらう方が有利ですが、弁護士介入から和解成立するまでの期間が長くなると、和解成立時までの利息については支払いを求められ、和解後の将来利息をカットしてもらうことが多いです。
借金がすべて1~2年の取引しかない場合には任意整理をする意味はありませんか? 任意整理できない場合はありますか?