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「自己破産」に関するお役立ち情報

自己破産した場合に生命保険はどうなるのか

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年9月19日

1 生命保険は解約しなければならない可能性がある

生命保険は、解約をすると返戻金があることがあるため、破産手続きにおいては、預金などと同じく財産として扱われます。

そのため、解約返戻金の金額や財産の状況によっては、生命保険の解約をして解約返戻金を返済に充てざるを得ない可能性があります。

2 解約返戻金が20万円以下の生命保険は、残せる場合はある

自己破産をしても、全ての財産を売却されてしまうわけではなく、一部の財産は自由財産として手元に残せます。

生命保険の場合は、解約返戻金の金額が20万円以下であれば、自由財産として手元に残せる可能性が高いです。

例)生命保険を残せる場合

A保険を解約すると18万円の払い戻しがある。

→解約返戻金が20万円以下のため、自由財産として保険解約の必要はありません。

例)生命保険を残せない場合

A保険を解約すると10万円の払い戻しがあり、B保険を解約すると15万円の払い戻しがある。

→A保険とB保険を合計して25万円の解約返戻金があり、20万円を超えるため、どちらかの生命保険は解約しなければいけません。

3 20万円を超えても生命保険が残せる場合

解約返戻金が20万円を超える場合でも、例外的に解約しないで済む場合があります。

一例としては、過去に病歴があり、生命保険を解約してしまうと新たに生命保険に解約することができないなど、特別な事情がある場合などは、20万円を超えても生命保険を残せることがあります。

また、病気で再加入ができないなど特別な事情がなくても、生命保険の解約返戻金と同額の現金を、返済のために裁判所に納める(財団組入)をすることで、生命保険を残せる可能性があります。

例)生命保険を残せる場合

A保険を解約すると50万円の払戻がある場合。

ただし、破産者は、過去に癌の既往歴があり、今後は生命保険に加入することは不可能

→この場合は、生命保険を解約しないで残せる可能性があります。

ただし、自由財産として手元に残せる財産は合計99万円であるため、保険を残せる代わりに預金の金額が減る可能性があります。

4 20万円以上の保険がある場合は、破産する前に解約したほうが良い場合がある

解約返戻金が20万円以上の生命保険がある場合、破産管財人が選任される管財事件となります。

管財事件となると、裁判所に予納金として20万円の現金を納めなければいけなくなってしまいます。

また、生命保険をそのまま残していても、管財人により解約されて返済に充てられてしまうため、手元には何も残りません。

一方で、現金であれば33万円まで自由財産として残せるため、生命保険を解約して現金として保管すれば、管財事件にならず予納金20万円を節約できる可能性がある上、解約返戻金を手元に残せる可能性がでてきます。

例)生命保険を解約したほうが良いケース

A保険を解約して30万円の払い戻しがある場合

→①解約しない場合

管財事件となるため、弁護士費用とは別に20万円の予納金が必要になる。

生命保険を解約した場合の30万円は借金の返済に充てられ、手元には残せない。

②解約をした場合

同廃事件となるため、予納金の20万円が不要になる可能性がある。

また、解約返戻金30万円は、現金として、破産後も手元に残せる可能性がある。

5 生命保険がある場合は、まず弁護士に相談

生命保険がある場合は、残せるか残せないかの判断は専門的な知識が必要になります。

また、残せない場合でも、自己判断で解約をした結果、かえって破産手続きで不利になり数十万円単位で余計な費用がかかってしまうことも珍しくありません。

そのため、生命保険がある場合は、まずは弁護士に相談することをオススメします。

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