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自己破産と財産隠し

  • 文責:弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2025年6月13日

1 自己破産にあたって財産隠しをすることは問題になります

自己破産をするにあたって財産隠しをすることは問題です。

自己破産は、諸々の手続きを行った上で借金の返済義務を免除してもらうための手続きですが、財産隠しを行ってしまいますと、返済義務が免除されなくなってしまったり、ひどい場合には罪に問われることになってしまったりするおそれがあります。

以下で、その詳細を具体的に説明いたします。

2 免責不許可事由に該当する

自己破産手続きは、「免責許可決定」と呼ばれる借金の返済義務を免除する決定を裁判所から出してもらうための手続きといってよいです。

免責不許可事由というのは、この裁判所からの免責許可の決定が下りなくなる事情として条文上定められているものです。

財産隠しについては、破産法252条1項1号が問題となります。

この条文では、「債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと」を免責不許可事由の1つとして規定しています。

意図的に財産を隠すような行為は、通常「債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿」を行ったものとして捉えられるかと思います。

よって、財産隠しを行いますと、免責不許可事由があったものと見なされ、原則として免責が受けられなくなってしまいます。

免責不許可事由があった場合でも、他の事情等から裁判所の職権で「裁量免責」をすることがありますが、財産隠しが発覚した場合にそれでも裁量免責をしてもらえるかといえば、難しいと言わざるを得ません。

免責許可決定が受けられなければ、すべての借金の支払義務はなくならないわけですから、当たり前といえますが、財産隠しはするものではないといえます。

3 罪に問われる可能性がある

破産法265条は、詐欺破産罪という罪を規定しています。

財産隠しは265条1号に定められているもので、罪に問われると、「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされていますから、最も重い場合、懲役10年と合わせて、1000万円の罰金も科されるということになります。

借金が減るどころか罰金が科されるという状況になっては生活も成り立たなくなってしまうと言わざるを得ません。

4 自己破産で財産隠しはしないようにしましょう

以上のとおり、財産隠しはリスクばかりだと思います。

適切に自己破産手続きを行い、免責許可決定を得ることができれば、数百万円、人によっては数千万円という借金の支払義務が免除される可能性があり、それだけでも十分な結果を得られると思います。

当たり前といえますが、財産隠しはしないようにしましょう。

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