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債務整理のお仕事への影響

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年6月5日

1 勤務先に知られずに債務整理ができるのか

できれば周りの人に借金について知られたくないと思われている方は多いかと思います。

特に、勤務先に債務整理を知られてしまうことで、会社をクビになったり、不利な扱いを受けたりするなど、仕事に影響が出るのではないかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

中には、仕事への影響が心配で、借金等に苦しんでいても、弁護士への相談すらためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

実際のところ、状況や方針等によっては債務整理をしていることを勤務先に知られてしまうケースもありますが、多くの場合、勤務先に知られることなく手続きを進めることが可能です。

以降で、債務整理の方法ごとに、お仕事への影響について詳しく説明します。

2 自己破産の場合

自己破産の場合、官報に掲載されるため、これにより勤務先に自己破産について知られることがあります。

官報に掲載されるのは、通常、破産手続き開始決定時と免責許可決定時の2回です。

会社によっては、官報の記載をチェックしているところがあるので、勤務先に自己破産について知られる可能性があります。

また、自己破産手続き中は、一定の職業に就くことができません。

そのような職業に就いている方については、勤務先に自己破産について知られてしまうことがあります。

ただ、自己破産手続き中に就くことができない職業の場合、会社が官報の記載をチェックしている可能性が高いです。

結局のところ、一定の職業に就くことができないという理由で自己破産について勤務先に知られてしまうリスクと、官報に記載されることによって勤務先に知られるリスクとは同程度と考えてよいと思われます。

また、自己破産をする際に、その時点での退職金の額を明らかにする必要があります。

その方法の一つとして、勤務先に退職金額の証明書を発行してもらうというものがあります。

簡単に発行してもらえることもありますが、勤務先から証明書の発行が必要な理由を聞かれる場合もあるようです。

その際に、答えに困ってしまい、自己破産の手続きをしていることを伝えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

勤務先に退職金額の証明書の発行を求める際に、勤務先から発行の理由を聞かれてしまい、自己破産について勤務先に知られてしまうのではないかと心配される方も少なくありません。

しかし、多くの方が心配されるような上記のリスクは、実際にはあまりないことが多いです。

まず、官報を確認している会社は少なく、一般の会社ではそのような確認は行っていません。

また、自己破産手続き中に就くことができない職業もそれほど多くはなく、その多くが弁護士や税理士などの士業です。

保険の販売員や警備員など、やや一般的な職業もありますが、それでも職業全体の一部に過ぎません。

退職金額の証明書についても、その発行を依頼する際に自己破産について明らかにしないこともできますし、場合によっては、退職金額の証明書を発行してもらうことではなく、別の方法をとることもできます。

このように自己破産をする場合には、勤務先に自己破産について知られてしまうリスクがありますが、そのリスクは小さく、また多くの場合で何らかの対処方法があります。

例外的に、勤務先やその関連会社に対する債務がある場合には、勤務先に自己破産について知られる可能性が高いといえます。

そのような場合には、勤務先やその関連会社に対する債務だけ、親族等に代わりに返済してもらう等の対処をしなければならないことがあります。

3 個人再生の場合

個人再生の場合、自己破産の場合と同様、官報に掲載されますので、勤務先が官報の記載をチェックしていると、個人再生について知られることがあります。

また、個人再生の場合も、自己破産と同様、その時点での退職金の額を明らかにする必要がありますので、退職金額の証明書を取得する過程で勤務先に個人再生について知られることがあります。

ただし、自己破産の場合と同様、官報の記載をチェックしている会社は少なく、退職金額の証明書についても、対処方法はいくつかあります。

なお、個人再生の場合は、手続き中に一定の職業に就くことができなくなるという制限はありませんので、この観点から勤務先に個人再生について知られることは通常ありません。

以上のように、個人再生をする場合にも、一定程度勤務先に個人再生について知られてしまうリスクがありますが、そのリスクは小さく、多くの場合で何らかの対処方法がある点は、自己破産の場合と同じです。

例外的に、勤務先やその関連会社に対する債務がある場合には、その債務だけ、親族等に代わりに返済してもらう等の対処をしなければならないことも、自己破産の場合と同様です。

4 任意整理の場合

任意整理の場合、自己破産や個人再生と異なり、官報に掲載されることはありません。

それだけでなく、一定の職業に就くことができなくなるという職業制限もありませんし、退職金の証明書等も不要です。

そのため、任意整理の場合、勤務先に任意整理について知られるリスクはほとんどありません。

勤務先やその関連会社に対する債務がある場合でも、任意整理の場合には整理対象を選択できるため、勤務先やその関連会社を任意整理の対象から外すことで対処できます。

しかし、債務の状況から、勤務先やその関連会社を任意整理の対象から外せない場合には、勤務先に任意整理について知られてしまうことがあるため、注意が必要です。

5 まずは弁護士にご相談ください

以上のとおり、自己破産や個人再生をすることで官報に掲載される場合、退職金額の証明書の発行など勤務先の協力が必要な場合、勤務先からの借入れがある場合等は、勤務先に債務整理をしようとしていることを知られてしまう可能性があります。

しかし、これらに該当する場合というのは、特定の職業に就いている場合や、勤務先から借入れを行っている場合等に限られるため、債務整理の中でもかなり限定的なケースです。

そのため、一般的に自己破産や個人再生手続きは勤務先に債務整理をしようとしていることを知られてしまうリスクが高いというのは誤りといってよいかと思います。

勤務先に債務整理を知られてしまうリスクがどの程度あるかは、債務整理をしようとしている方の置かれた状況等によって異なります。

債務整理によって仕事への影響があるか心配な方も、まずは弁護士にご相談ください。

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